医療・介護・福祉・中心市街地の活性化を担って

2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~

11月19日(火)に開催されました、『一職場一事例報告会』の模様をご紹介します。
2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~
健友会では、実際に医療や介護の現場で起きた様々な困難事例や取り組みの発表・ディスカッションを年1回行っています。
今回は9職場からの発表と、職員・友の会会員の方々合わせて約109名の参加がありました。
2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~

毎年、報告会で発表される演題には『SDHの視点で捉える』というルールが定められています。
SDH(Social Determinants Of Health・健康の社会的決定要因)では、

『健康は、遺伝子や生活習慣だけでなく、個人の所得や家族状況、国の政策や職場などの経済的・社会的要因によって決められるもの』

と定義しています。
一人ひとり異なる「経済状況」や「人間関係」「生活環境」などの情報(SDH)をもとに、

『そもそも、何故このような病状・状況に至ったのか』 『治療後・退院後・退所後に、どのような生活を送って頂きたいか』

という観点を持って治療や関わりを持とう、という考え方です。

またWHO(世界保健機関)によると、「健康」の定義として、

 健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、
 肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、
 すべてが満たされた状態にあることをいう

とあります。 たとえ治療や介護によって一時的に健康状態を改善できたとしても、その原因を無視してしまっては、また同じ状況に陥ってしまうかもしれません。 本当の意味で健康を実現するために、SDHの視線を持つ事は大切だと思います。

2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~

今年の発表も、様々な困難事例や取り組みが発表されました。
厳しい経済状況や生活環境、家族間の不和、依存症による病状悪化など・・・。
様々な職種の職員、ご家族、地域住民、行政、公的扶助などの連携により 状況が改善されていく事例を見て、改めてSDHの視点で捉える事の 大切さを実感しました。
また、それを当然のように実践できるスタッフの皆さんを誇りに思いました。

2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~

ディスカッションの中で印象的だったのは、
「この『情報』があったので、早い段階で取り組むことができた」
「この『情報』が無かったので、行動することができなかった」
など、『情報』の有無によって取り組みの成果に大きな差が生まれてしまうことです。
SDHの情報には、健康状態だけでなく、学歴・経済状況や幼少期、就職、人間関係、日常生活など 非常にデリケートなプライバシー情報が含まれます。身内でない医療・介護従事者(第三者)にそれを知られることに強い抵抗感があるのは当たり前の事ですし、情報提供を拒絶される方もおられると聞きます。

2019年度 一職場一事例報告会 ~SDHの視線から~

では、私たちの目指す『健康』を実現するために、患者様・利用者様から大切な情報を安心して御提供いただくには・・・?

「日々の業務や様々な活動を通して、信頼関係をしっかりと築く事」 だと改めて思いました。

(社保・平和委員会 鈴木)